2020/4/9

神社の今と巫女ライターの願い

コロナが終わったら ライターズミニコラム

はじめまして、巫女ライターの紺野うみと申します。

ライターと巫女を兼業している、ちょっと変わった働き方をしています。

 

思えば、始まりはたった一つの国の、たった一つの町で発見された「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」でした。

それは瞬く間に国を越えて全世界に広がると、多くの尊い命を奪い去り、今なお勢いを増して猛威を振るっています。

日本の闘いも、まだまだ始まったばかり。その影響力は本当にすさまじく、人の命はもちろんのこと、私たちの生活や健康な心、そして人の営みを支える経済にまで甚大なダメージを与え続けています。

さまざまな業界における痛手、そして一人ひとりの損失は、その種類や被害内容を挙げてゆけば切りがありません。

誰もが痛みや哀しみ、苦しみを背負っている今ですが……。巫女である私からは、神社にまつわるお話を、そっと伝えさせてください。

 

この国を守ってくださる八百万の神々をお祀りするとともに、日本人の心の拠り所として長い歴史を守り続けているさまざまな神社。これは、全国各地に約8万社もあると言われています。

 

この騒動の中、これまでもそれぞれの神社が各方針に則って、ご参拝の皆様や職員の命を守るため、この新型コロナウイルス感染症への対策を講じていました。

職員のマスク着用による社頭対応、手水舎の柄杓を撤去して消毒液などでの清め、多くの人が触れるであろう御神前の鈴の撤去……。

長い間多くの人が協力して準備を行ってきた大きな祭典や神事も、そのお祭りの規模を大幅に縮小したり、中止や延期とする催し物もあります。

多くの場合「三密=密閉・密集・密接」からは、かなり遠い場所であるとも言える神社であっても、「万が一」があってはならないと、できうる限りの最善策が検討されてきました。

 

しかし、この事態は収まる気配もなく、先日の「緊急事態宣言」を受けて、いくつかの神社では「社務所の閉鎖」や「一定期間の閉門」という決断をするまでに至っています。

これは長い神社の歴史の中でも、異例の事態です。

もちろん一般のご参拝者の方がいない状況であっても、神職たちが完全に神様のお祀りと祈りをやめることはありません。

そもそも神社とは「神々」のために祭祀を行う場所であり、日々のお祀りや祈りは、いかなる場合であっても一日たりとも欠かさぬもの。

その神事を協力して守り抜くのが、神に仕える「神職」や「巫女」のつとめなのです。今はどこの神社でも、限りなく少人数で、それを続けていることでしょう。

 

苦難の時こそ、人々の心の支えとなる場所。それが神社やお寺です。

これまでは、決して人を受け入れないことはなかったであろうその場所までもが、今「あえて人を遠ざける」ことを決断しなくてはならない状態まで、追い込まれてしまっているのです。

そこで、私が巫女として、皆様にお願いしたいことが2つあります。

 

ひとつは、たとえ神社に足を運べなくても、神様に心を向けて祈ることを忘れないでください。

神様は、私たちが真摯に心を向ければ、ちゃんと繋がることができる存在です。住まいのお近くにある氏神神社の神様や、あなたが好きで崇敬する神社の神様に向かって、想いを馳せてみてください。

お手元に御守りなどがあれば、それを大切に握って祈るのもいいでしょう。

たとえば「神棚」が「家庭のまつり」として存在するのも、「どんな場所でも神様に御守りいただいていることを忘れず、それに感謝して過ごすため」のこと。

そして、私たちが困難に立ち向かうための、勇気や力を分けていただくという意味もあるのです。

 

これから、ますます世の中全体が「余裕」を失ってゆくことになるでしょう……。だからこそ、心の中から「神様」の存在を消してしまわないことが大切なのです。人と人との間でもお互いへの感謝と思いやりを忘れずに、どこから神様に見られていても、恥ずかしくない生き方をしていきましょう。

 

もうひとつのお願いは、このコロナウイルスが無事に終息した暁には、近所や身近な神社へと、足を運んでいただきたいのです。

自分自身や大切な人の命が守られたら、その地であなたとあなたの家族を見守ってくださる神様へ手を合わせ、感謝の気持ちを届けてください。

神社という場所や神様のお力は、人々からの崇敬や信仰心なくしては、永く在り続けることができなくなってしまいます。

あらゆるものに神々が宿る日本で暮らしている以上、生かされていることや守られていることに対する感謝は、さまざまな場所に見つけられるはずです。

皆様の胸にも、これまでの「当たり前」が崩れてしまった今だからこそ、身に沁みて気づいた感謝がたくさんあることでしょう。

 

今は、ただひたすらに「我慢の時」かもしれません。

でもそれは、あらゆる人が同じように感じている痛みであり、私たちは仲間なのです。

共に力を合わせながら、謙虚に一生懸命、生きることを続けていきましょう。その姿を、きっと神様も見ておられます。

 

 

巫女ライター/紺野うみ


プロフィール

 

巫女ライター/紺野うみ

 

平日はフリーライター、休日に巫女としてご奉仕。 神社・神道・生き方・心理学・自己分析・心について記事を執筆。すべての人が前向きに、自分らしく生きるために大切なことを伝えている。 巫女ライターとしては、「書くこと」を通じて神様へのご奉仕を形にすべく、神道・神社・神様の心の本質を伝えることを使命とする。


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