· 

【コラム】茸:ゲーム好きから「動画作り好き」に。10年以上ゲーム実況を続ける中で感じた変化

YouTuber 茸(たけ)


ゲーム実況を始めるきっかけは、たまたま出会った1本の動画。

もともとゲームが好きだった茸さん。

高校生当時は学校の授業や勉強をサボってしまうほどゲームに熱中していました。

 

 

そんな自宅のインターネット環境も良好で、他の方がプレイしたゲーム動画などをよく閲覧していたと言います。

 

茸さんが学生時代に多く配信されていたゲーム動画は、プレイ中に起きた奇跡的な立ち回りなどを自慢する「スーパープレイ」を紹介するもの等で、かなり上手な方でないと動画として成立しないというのが前提の世界でした。

 

そんな中で、ある方の動画が目にとまります。

 

決して下手ではありませんが、上手くもないゲームプレイで、おしゃべりをしながら撮影して投稿した動画を発見するのです。

現在のいわゆる「ゲーム実況」の先駆けと言える動画でした。

 

 

この動画を視聴した茸さんに衝撃が走りました。

なんだこの動画は…!

 

上手くもない。特にすごいプレイをしているわけでもない。

そして、なんとゲームを喋りながらプレイしている…!!

 

この動画に出会った茸さんは早速行動に移します。

ゲーム操作が上手ではなくても輝ける環境があるのではないか?

 

すぐに動画を配信することができるような機材を購入、整備をして動画配信をスタートさせるのです。

 

 

 

 

 

生活が一変した一本の動画「もう村人でいいや」

高校生当時から動画投稿をスタートした茸さん。

活動開始からはすでに10年以上が経過しており、日々楽しい暮らしが出来ていると言います。

 

活動開始当初は、1本の動画が10回再生されていれば良いかな…という気持ちであったと言いますが、ある1本の動画の投稿を機にその状況は一変します。

 

いつものように動画を投稿し、アルバイトへ出かけた茸さん。

帰宅後にふと再生数を確認してみると、見たこともないような再生回数が表示され、動画のコメント欄には多くの人からのコメントであふれていたのです。

 

これが今でも1番の再生回数を誇る動画

「もう俺、村人でいいや」でした。

 

この動画は、人気ゲーム「マインクラフト」を実況プレイするというものです。

多くの方がゲームの趣旨に沿って冒険をする中で、ルールに規制されないというこのゲームの利点を生かした斜め上の発想を持つ動画として一躍人気動画となりました。

 

この動画を機に生活は一変。

 

始めは戸惑ったそうですが、活動がより楽しくなり再生回数やコメント等の視聴者の反応に一喜一憂しながら日々活動を邁進させているのです。

 

また、現在は多くの活動をする中で

 

「このテロップどこで購入できるんだろう?」

「このBGMどこで配信されているんだろう?」

 

というように考えるようになり、純粋にテレビ番組や他の方の動画を視聴して楽しむことが出来なくなってしまったと言いますが、

これはより視聴者のことを考えて動画を投稿するようになった結果で、プロのYouTuberとしての弊害と言えるのでしょう。

 

 

 

 

 

インターネットの常識の変化 そしてこれから…

インターネットで1回顔を出すと、もう一生残る怖いものだというのはインターネットが普及したころによく言われていました。

 

茸さんは、もとよりマスク等も一切せずに自身の顔をインターネット上に公開してきました。

 

確かに2010年代前半の動画を見てみると、お面をかぶったりマスクを付けたりして動画を配信している方が多く、現在のように自分の顔を売り出すという空気はどことなくありません。

 

インターネットは、匿名である事が最大の利点の一つと考えられていたからです。

 

ただ、近年は多くの方がインターネット上に自身の顔写真を載せることが多くなっており、茸さんはその中で社会とインターネットのつながりがより密接になってきたと感じていると言います。

 

ゲーム実況がより身近になり、世界にあらたな動画ジャンルとして浸透してくる中で、茸さんは新たな文化を自身が作り上げる片腕になったことを実感していると言います。

 

 

 

 

 

 

純粋に「動画づくり」が好き。死ぬまで動画を出し続ける!

 ゲーム好きが功を奏して現在の活動に繋がっているという茸さんは、「多分死ぬまで動画を出し続ける」と公言しています。

 

 ゲームも好きですが長年にわたり動画を作り続ける中で、動画をつくる行為そのものをも好きになってしまったそうです。

 

 現在は自身のアカウントに動画を上げる事以外にも、企業が必要とする動画の制作代行なども行っており複数社との取引があるそうです。

 

 また、もしゲームというものがこの世から衰退してしまったとしても日常の動画を撮影して編集することなども続けていきたいと話しており、今後も楽しいコンテンツを世に出してくれることが期待されます。

 

 好きなことを続けていくと色々な道に進んでいく。

 

 この言葉をもとに今日も活動を続けるのです。



梨田いづみ

大阪府出身。MCやコミュニティFMのラジオパーソナリティを務める傍ら、舞台女優としても活動する。