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人との出会い。そこにあるもの…。 運命と挫折【後編】

 

びわこ成蹊スポーツ大学 山手隆文准教授執筆コラム

 

挫折②

 教員となるためには、教員採用試験に合格しなければいけません。もちろん小学校の採用試験を受験することにしました。しかし、小学校教員の採用枠は、中学校、高校と比べて人数が多いといっても現実はそんなに甘くはありません。最初は合格することができませんでしたが、一年間、学校現場に関係するアルバイト生活を経て、小学校教員としてスタートを切ることができました。

挫折の繰り返し… そこにあるもの

 現在の学校現場では厳しい状況が続いています。いじめ問題、教員の体罰など、私が教員になった頃もあった問題です。昔に比べると、子どもは変わってきましたし、親(保護者)も変わってきました。学校現場では、その時代に合わせた指導をする必要性が求められています。また、当然のように学校現場の先生の仕事量が増え、働き方改革と言われていますが、なかなかうまく進まないのが現状です。

 

現在では、そのような指導に合わせることができず、または学校現場に馴染むことができず、学校の先生の休職や退職が増えています。私も小学校教員時代はいくつもの問題に直面してきました。つまり「挫折の繰り返し」です。しかし、「先生をやめたい!」と思ったことは一度もありません。小学校教員生活の中で、さまざまな出会いがあり、その出会いが私の教員生活を支えていたと言えます。だから、29年間も小学校教員を続けることができたと思っています。

 

 私の教員生活の中では、たくさんの人との出会いがありました。教員生活に導いてもらった出会い、苦しいときに助けてもらった出会い、楽しさをもらった出会いなど、数え切れないくらいの出会いがありました。挫折を味わいながらも、その出会いがあったからこそ、自分自身が大きく成長してきたんだなと改めて思います。私の中では、まだまだ成長できる、成長していかなければいけないと感じる毎日です。

 

今現在では、学生との出会いを大切にして、楽しく教員生活を送っています。特に、現在の学校現場の状況を身にしみて感じているからこそ、教員をめざす学生には、学校現場で活躍してほしいと願っています。これからもその学生たちとともに学び、ともにがんばっていきたいと考えています。

 

 


山手隆文先生

大阪で公立小学校教員として5年間、国立大学附属小学校教員として24年間勤務。

附属小学校勤務では大学教員も兼任。

現在はびわこ成蹊スポーツ大学で大学教員として勤務。