
映画が好きで、役者の世界に飛び込んだ
もともと映画が好きだった山川さんは、自分も映画に出演してみたい!と思い役者の世界に飛び込みました。初めは役の名前もないエキストラでの出演が続きましたが、自分が憧れた世界に飛び込めたことに対してとても感極まったといいます。
映画の撮影現場は、その物語の世界そのものがセットとして広がっており、壮大なセットであればあるほど、物語独自の世界観に雰囲気からのめり込むことができました。
ただ、役者の仕事は楽しいことばかりではありません。現場に行く前の事前準備も必要です。セリフを覚えたり、その作品の世界観を理解したりする必要があります。
特に必要なのは、「自分自身のストックをいかに発信し共感してもらえるか」だそうで、役のなりきることが必要な中で、演じる自分自身の生き方や経験が役にでてしまうことを、いかに多くの方へ共感し、発信する事が大変なことだと感じるのです。
自分の性格に近い役は、より演技をすることが苦しく難しく、自分とは違うなと思える役の方が、その役になりきることができ、その役の人を体験することができるのです。
山川さんは明るいキャラクターなので、暗めなイメージがある引っ込み思案な役の方が演じるのが楽しいと話します。
また、撮影現場も全てが空調の効いたスタジオというわけではありません。
リアリティを求めて、実際の自然の中撮影を行うことだってあります。
ホラードラマの撮影では実際に洞窟の中に入り、寒い中薄着の洋服を着て寝転がるなどをする演技をしたこともあり、寒い中で何もない洞窟の中自分のセリフの声だけが響くのは、自分でも怖い経験となりました。
憧れの仕事現場に身を置き、これからも俳優として邁進するのかと思いきや、そう一筋縄では行かなかったのです。
映像作品の世界から舞台作品の世界へ

映画に出演することを夢見て、役者の世界に飛び込んだ山川さんですが、現在は舞台のお仕事の方が多いようです。
映像作品は、そのシーンの撮影に必要な環境や出演者、スタッフなどが集まって撮影するため、一つの作品で共演をしていても数日しか会わない、ということもしばしばあるようです。
ただ、舞台作品はそうではありません。多くのスタッフや出演者の方が長い月日をかけて稽古し調整しながら一つの作品を作り上げていきます。
山川さんは、「一つの作品をみんなで作り上げる」という空気がとても好きになり、舞台作品への出演へとシフトしていきます。
そして近年はコロナウイルスの影響で舞台作品そのものの公演数が減ってしまい、
「であれば私がやればいいじゃん」
ということから、舞台のプロデュース業も行っています。
プロデュースの仕事は、どのようなあらすじにしたいか、などの考えを固め、それを言語化して周りの人間に伝えることから始まります。また、その「周りの人」もどのような人と一緒に作品を作り上げていきたいか、などを考えながらキャスティングも行います。
業務は格段に多いといいますが、より理想の空間に近づけることができる仕事でやりがいがあるのです。
蓮の葉、深淵たる池の底で

11月23日からの舞台「蓮の葉、深淵たる池の底で」は、「サバイバル的な感じの殺伐とした舞台」と山川さんがたとえており、脚本家ら他職種と連携して一つの作品を作り上げる理想的なものであると話します。
高円寺K'sスタジオ本館(最寄り:東京メトロ東高円寺駅)で全8公演行われる予定で、非常に楽しみです。
今後は、俳優業や舞台プロデュース業のみならずさまざまなことに挑戦をしていきたいと考えており、
俳優としては「メインというよりかは支えていけていけるような役者になりたい」と話します。
自分がこの作品に携わっていたからこそ、"良い環境になれた"、"良い空気感だった"、と思ってもらえるような存在になるのが理想だそうです。
映画→舞台→舞台プロデュースと流れてきた山川さん。
映像作品と舞台作品では全く違うものであり、二足の草鞋を履きながら良いところをお互いに吸収しながら成長していくのです。
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