LUDDITE（ラダイト）：素材に勝負！ステーショナリー好きによるステーショナリーメーカー

3年前に倒産した文具メーカー「ユナイデットビーズ」の、社長と社員6名で新たに立ち上げたデザインステーショナリーメーカー、LUDDITE（ラダイト）。 

素材を活かしたシンプルなデザインで、男性も女性も使いやすいユニセックスな商品が人気です。 

新たな会社名「ラダイト」の由来は、イギリスで起こったラダイト運動からきています。 

ラダイト運動とは、産業革命で繊維工業の機会が発達したために、失業に追い込まれた手工業職人による機会うちこわし運動です。 

先日初めて、文具好きが最高に楽しめるイベント「文具女子博」に参加しました。 

文具女子博は、さまざまなメディアに取り上げられる超大規模なイベント。 

出店している企業も、コクヨやサクラクレパスなどの大手が多いです。 

ラダイトからは、ユナイデットビーズ時代の商品であるペンケースを復刻版として出品し、見事完売。 

昔からのファンにも喜ばれ、初の女子文具博は成功に終わりました。 

ラダイトの個性的な商品はどのように作られているのか、今後どのように活動していきたいのか。 

今回は、企画・生産を担当する石田さんにお話を聞くことができました。 

広島県福山市に所在するラダイト。 

あまり知られていませんが、福山市はデニムの生産量が日本一のまちです。 

そのため生産工場も多く、ラダイトの社員が直接出向いて商品を作っていける環境が揃っており、オリジナリティ溢れるモノづくりができます。 

扱っている素材は、国産の帆布（キャンバス生地）や福山産のデニムなどが中心です。 

これらの生地と相性が良いのが、ブックカバーやペンケース。 

そのため、ラダイトのコアアイテムもブックカバーやペンケースになっていきました。 

ラダイトは小さな会社ですが、ラダイドだからこそできる強みがあります。 

商品開発時に踏まなければならない過程が少ないために、スタッフが使いたいものや作りたいものを、比較的早く商品化できるのがラダイトの強みなのです。 

ラダイトにはもちろん営業担当のスタッフもおり、ラダイトの商品を取り扱っている店舗に毎日営業スタッフが足を運び、市場やトレンドを調査しています。 

営業スタッフが持ち帰った情報を元に、新商品のアイデアを出していくのがラダイトスタイル。 

また、SNSでの声も参考にしているのだそうです。 

時にはダイレクトメッセージで、「こんなものを作ってほしい」と要望を受けたり、「この商品のここがイマイチ」などの意見をもらうことも。 

また、YouTuberにもラダイトの商品をレビューや解説してくれている人がいます。 

良いところも悪いところも紹介してくれるので、タメになると石田さんは感じているそうです。 

こうしたユーザーの声もしっかりと受け止め、商品開発の材料としているのです。 

スタッフが男性しかいないので、どうしても男性よりの商品が多くなりがちなラダイトですが、女性向け商品もどんどん出していきたいと考えています。 

しかし、ラダイトが現在女性向けとして売り出している商品はどれもシンプルなものばかり。 

女性向けとなると、かわいらしい柄やカラーをイメージしがちですが、なぜシンプルにこだわるのでしょうか。 

石田さんは以下のように語ります。 

「ラダイトの商品は素材ありき。女性向け商品でもあまりごちゃごちゃと装飾せず、素材の良さで売り込みたいんです」 

デザインや柄に頼らずに、女性らしい商品を生み出せるラダイト。 

毎日の情報収集や、スタッフの素材に対する知識の深さがあるからこそ成し得ることだと感じさせられます。

今後挑戦したいことはありますか？と伺うと、以下のように答えてくれました。 

「まだまだ知られていない素材を使い、機能的な商品を生み出したい」 

素材から探すのがラダイトのコンセプト。 

世に紹介しきれていない素材を、ラダイトの商品にして知ってもらいたいのだそうです。 

また、自社のオンラインショップがまだまだ充実していないので、オンラインショップにも力を入れていきたいとのこと。 

現在ラダイトからは出ていない、ハサミやホチキスなども作っていけたら、より文具メーカーらしくなるのではないかと、石田さんは語ってくれました。 

今度はどんな素材で、どんな商品を私たちに見せてくれるのでしょうか。 

今後のラダイトの新商品を楽しみにしています！ 

ライター：海野よる