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日本理化学工業:チョークの会社が世界に発信!オール世代に“楽”書き文化を発信したい

昭和12年に創業した日本理化学工業株式会社。

同社は学校や塾で使用されている「ダストレスチョーク」(以下、チョーク)や「ダストレスラーフル」(以下、黒板拭き)を販売しています。

今回は、そんな老舗企業に、現在の課題から今後の展望まで幅広くお話を伺いました。

 

 

 

 

 


チョークがなくなる?

学校や塾で目にすることが多いチョーク。

しかし、今後はその機会が減ってしまうかもしれないとのこと。

主な理由は2つ。

1つ目は、少子化に伴い学校や塾の数が減少していること。

2つ目は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴いデジタル化が進んでいること。

これらの要因によりチョークを使う機会が少なくなってしまうことを同社の課題と捉え、改善を図ることにしました。

 

 

 

 

 

いろいろな人に商品を使ってもらいたい

そこで、既存商品の改良やリニューアルによる新規顧客層の拡大を目指し、商品を普及し始めます。

 

まず、「家庭での伝言板代わりに」という発想のもと、2013年から雑貨テイストの黒板や、玄関や冷蔵庫でも使えるマグネット形のチョークを販売。

続いて、パステル調のグリーン色の黒板や卓上型の黒板など、20~30代の女性でも使いやすい見た目や機能性のある商品を展開していきました。

 

次に、既存商品である「キットパス」のリニューアルをすることに。

キットパスとは、窓ガラスに描いて水で消せるクレヨンです。

より安全性を高めるため、2年もの歳月をかけて主成分をお米のワックスに変更し、2022年に24色入りでリニューアル発売されました。

キットパスは、もともと安全性が高く子ども向けクレヨンとして販売されていました。

 

しかし、アートに精通している層やイラストの仕事に携わっていない大人にも使ってほしいという思いから、色を増やし販売するに至りました。

 

 

 

文具女子博での出展

更なる新規顧客層の拡大を目指し、文具女子博での出展も行っています。

文具女子博とは、文具を見て、触れて、購入できる日本最大級の文具の祭典。

メーカーの人たちと直接話をすることもできるという、文具好きにはたまらないイベントです。

同社はこの祭典に2015年から出展し、文具好き女子をターゲットにした黒板拭き型のストラップを販売しています。

 

この黒板拭き型のストラップは、スマートフォンの画面クリーナーとして使用可能です。

可愛い見た目であるうえに機能的な側面もあるため、文具好き女子からの人気は上々の様子。

また、幅広い層に商品を普及させるため、黒板拭き型キーホルダーも販売されています。

なお、近年はスマートフォンの普及により、ストラップを使用する場面は減少の傾向だそう。

そこで、モチーフの黒板拭きの大きさやリール部分を改良した、タブレット用の商品も開発中とのことでした。

 

 

 

 

 

オール世代に“楽”書き文化を

近年のデジタル化でチョークを使う機会は減りつつあります。

しかし「手書きの温かみや脳の活性化などの、チョークを使用することのメリットを訴求したり、雑貨寄りアイテムを展開したりすることで、『世界中の全ての世代に“楽”書き文化を発信したい』」と言います。

 

今後の展開に期待があります。

 

 

 

 

ライター:中村有沙

平田葵

兵庫県出身。ゴルフや野球等のスポーツおよびゲームに豊富な知識を持ち、姫路エリアのケーブルテレビ局やラジオ局で番組出演が多い。